こんにちは、チャンコです!
ご訪問ありがとうございます。
2022年4月に「マンション管理適正評価制度」がスタートしました。
詳細は、以下の記事をご覧くださーい
今回は、マンション管理会社の現役フロントマンが考えた、評価制度の具体的なアクションプランを分かりやすく解説します。
以下の記事でマンション管理会社での経歴を紹介してまーす
具体的なアクションプランは、全部で5つ用意しました。
- 法律や管理規約をしっかりと守って50ポイント獲得
- マンション管理に欠かせないキーワードを押さえて82ポイント獲得
- を獲得するために
- 100点を目指すために
- そして、良い管理を維持していく
今回紹介するのは、「④100点を目指すために」です。
高得点を目指すためのポイント(以下の記事を参照)の「④安心も目指していく」に沿った、アクションプランになります。
この記事を読んでいただければ、マンション管理におけるリスクへ備えることで、100点への道を開くことができます。
評価制度を通じて、マンションの資産価値が上がる可能性を秘めています!
是非、最後まで見ていってください^^
④100点を目指すために
マンション管理適正評価制度についておさらいすると、マンション管理の安心に関する項目が4つあります。
ずばり、マンション管理における安心は、リスクへの備えです。
- 緊急時の備え
- 火災時の備え
- 災害時の備え
- 有事の連絡先と連絡手段
マンションにとってのリスクとは何か、リスクへの備えはどのようなことがあるか、自分のマンションにあった備えは何か考えていきましょう。
獲得できるポイントは10ポイントと、少ないと感じるかもしれません。
また、これまで解説した①~③のアクションプランで十分と言う方も、いるかもしれません。
しかし、①~③のアクションプランを乗り越え、ここまでたどり着いたのであれば、ぜひ満点を目指していきましょうっ!
それでは、「マンション管理の安心」別に、アクションプランを紹介します。
緊急時の備え(3ポイント)
最初のマンション管理の安心は、「緊急時の備え」です。
「生活関連」の①の評価項目に当たります。
マンション管理適正評価制度では、「設備等の警報発報時のマンションの緊急対応の体制」を評価します。
緊急時の備えでは、3ポイント獲得できます
- 緊急対応が必要な場合
- 緊急対応の体制と獲得ポイント
緊急対応が必要な場合
早速だけど
マンションで緊急対応が必要な場合って
何だと思う
うーん、マンションに住んだこと無いけど
火事とか、水漏れかしら
火事も水漏れもあるね
その他にも、マンションならではの設備のトラブルもあるんだ
- 水が出ない
- 電気が点かない
- エレベーターやエスカレーターが動かない
- 機械式駐車場や駐車場出入り口シャッターが動かない
上記以外にも、マンション設備の数だけトラブルがあり、火災や水漏れ同様に緊急対応が必要となります。
それと、忘れてはいけないのが
防犯セキュリティーだね
防犯ってことは、CMで有名な
「1、2、3、4 AL○OK」
「セ○ムしてますか」
とかの、防犯かしら
ま、まぁ、あっているかな・・・
マンションによっては、管理室や住戸へ不審者が侵入した場合、警報がなる仕組みになっています。
上記の場合も、緊急対応をしなければなりません。
緊急対応の体制と獲得ポイント
では、管理組合がとれる緊急対応の体制にはどのようなことがあるでしょうか。
評価制度の項目で確認してみたいと思います。
- 24時間有人対応
- 共用部分+ホームセキュリティ対応
- 共用部分+オンコール
- 無
24時間有人対応
「24時間有人対応」は、文字通り24時間、マンションの受付・管理室・防災センター等に管理スタッフがいる状態です。
緊急事態(設備等の警報含む)が発生したら、すぐ現場に駆けつけます。
24時間有人対応のメリット・デメリットは、以下の通りです。
3ポイント獲得できるよ
共用部分+ホームセキュリティ対応
「共用部分+ホームセキュリティ対応」は、共用部分か専有部分で以下の対応がなされる状態です。
- 共用部分は、「機械警備」といって各種設備の異常を警備会社が遠隔監視する
- 専有部分は、同じく警備会社が遠隔監視している状態です。
いずれの場合も、異常が発生した場合は、警備会社が駆けつけます。
共用部分+ホームセキュリティ対応のメリット・デメリットは、以下の通りです。
3ポイント獲得できるよ
共用部分+オンコール
「共用部分+オンコール」は、上記の共用部分の機械警備と緊急時に管理会社等のコールセンターで受付を行う対応です。
緊急事態の内容や他の状況により、各種の手配が行われます。
共用部分+オンコールのメリット・デメリットは、以下の通りです。
1ポイント獲得できるよ
無
「無」は、有人対応や管理会社による対応がない場合が、該当します。
非常に興味深いですねー
「無」のメリット・デメリットは、以下の通りです。
そして・・・
「無」だけに、獲得ポイントはナシだよ
火災時の備え(3ポイント)
二つ目のマンション管理の安心は、「火災時の備え」です。
「生活関連」の②の評価項目に当たります。
マンション管理適正評価制度では、「消防訓練の実施状況」を評価します。
なお、火災時の備えは、アクションプラン①の「あきらかに法律違反をしている場合」で、紹介しました。
もう一度確認したい方は、以下の記事より確認ください。
なお、獲得できるポイントは3ポイントです。
災害時の備え(3ポイント)
三つ目のマンション管理の安心は、「災害時の備え」です。
「生活関連」の④の評価項目に当たります。
マンション管理適正評価制度では、「マンションの災害対策」を評価します。
災害時の備えでは、3ポイント獲得できます
- 具体的な災害対策(8項目)
- 災害対策に応じた獲得ポイント
具体的な災害対策(8項目)
まずは、マンションでの具体的な災害対策を見てみましょう。
全部で8項目あります。
消防計画の作成及び周知、防火管理者の選任
まず、消防計画を説明する前に、防火管理者について解説します。
防火管理者とは、ざっくり言うと、消防法で一定規模以上の防火対象物に選任(設置)することが義務付けられている有資格者となります。
防火管理者資格は、国家資格です。
講習を受ける(効果測定有)ことで、取得できるよ
管理権原者から所轄の消防署へ「選任届」を提出することで、初めて専任されたことになります。
続いて、消防計画について、解説します。
消防計画とは、防火管理者が作成して、所轄の消防署へ提出するものです。
各消防庁のホームページからダウンロードできますし、所轄消防署にも用意されていると思います。
また、ホームページでは作成例も示されているためは、講習受講後の知識が鮮明な内に作成しましょう。
消防計画は作成しておしまいなの
良いところに気づいたね
居住者に周知するとこまでが、一連の流れだよ
災害時の避難場所の周知
お住まいの自治体では、エリア毎に避難場所が示されていると思います。
学校だったり公園だったり
色々あるよね
自治体のホームページや広報誌で案内されている避難場所を確認して、マンション内の目につきやすい場所(掲示板等)に掲出しておきましょう。
災害対策マニュアル等の作成・配付
災害対策マニュアルは、災害時に必要な知識や行動をまとめたものです。
前述の消防計画の作成でも触れたとおり、災害対策マニュアル等でも、マンション個々の事情に応じて作成するの所必要があります。
管理会社によっては、災害対策マニュアル等を一緒になって作成してくれるところもありますので、一度相談してみましょう。
管理会社で対応が難しい場合でも、自治体によっては「マンション用の災害対策マニュアルの作成手順」を紹介している、ところもあります。
Google検索で「自治体名 災害対策マニュアル マンション」等と検索してみましょう。
マンション独自の内容にすることと
作成したマニュアルを配付して、居住者に周知させようね
ハザードマップ等防災・災害対策に関する情報の収集・周知
避難場所同様に、お住まいの自治体では、各種のハザードマップが示されています。
私が住む街でも、以下のハザードマップがありました。
- 洪水ハザードマップ
- 高潮ハザードマップ
- 浸水ハザードマップ
- 地震マップ
- 液状化マップ
まずは、お住まいの自治体のホームページ等から、ハザードマップに関する情報を収集しましょう。
そして、収集した情報を整理して、居住者へ知らせる取り組みが大切です。
- 掲示板へ掲示する
- 居住者全員に配付する
- 総会やイベント時に説明する
災害時に必要となる道具・備品等の備蓄
災害時に必要となる道具や備品を検討する前に、誰が何を揃えるか整理をしてみましょう。
「自助・共助・公助(じじょ・きょうじょ・こうじょ)」って言葉は聞いたことがありますか。
簡単に説明すると
- 自助は、自分自身で自分を助けること
- 共助は、共に助け合うこと
- 公助は、公の機関(政府・自治体)による支援
上記をマンションに置き換えると
自助は、各家庭で備えることができる対策です。
例えば、「家具の転倒防止」「備蓄品・日用品のストック」「電気やガスの代替となるもの」が該当します
共助は、マンション全体で備える対策です。
例えば、「タンカー」「バール」「災害用トイレ」「発電機」等、各家庭で備えることが難しい備品類を備えることが当たります
自助と共助については、前述の消防計画に盛り込まれたりします。
また、自治体でも、災害時に必要な備蓄が紹介されています。
高齢者等が入居する住戸を記した防災用名簿が作成されている
マンションでは共助の一貫として、災害・緊急時に第三者のフォローが必要な方を把握しておくことが重要とされています。
いわゆる防災用の名簿です。
防災用の名簿は、後述する区分所有者名簿や居住者名簿と異なり、災害・緊急時にのみ使用することを前提に作成されることが一般的です。
名簿に記載する内容も、センシティブな内容が含まれてきます。
- 高齢者の有無(年齢)
- 災害・緊急時に支援が必要な方が居住しているか
- 持病があるか
管理組合は、個人情報取扱事業者になるため、情報漏えいに気を付けると共に、個人情報の取扱いについて定めておく必要があります。
居住者から防災用名簿を提出してもらう時は、個人情報の取扱いについて、同意を得ておきましょう。
防災用名簿は、使わないに越したことはありませんが、万が一の時に備えて準備しておきましょう。
災害発生時における居住者の安否確認体制の整備
災害発生時、まずは自分の身の安全や家族の安否確認を優先しますよね。
じゃあ、自分の安全や家族の安否を確認したらどうする
とりあえず、避難所へ行くのかしら
災害発生後、危険が差し迫っていなければ、同じマンションに住む仲間(居住者)の安否を確認をすることです。
また、安否確認は、やみくもに一人一人が独断で行うのは好ましくありません。
管理組合という組織を活用して、組織的に安否確認できる体制を整備しておきましょう。
優先するのは、「支援が必要な方」「持病がある方」「高齢者世帯」等です。
忘れてはいけないのが、安否確認結果を表等にまとめておくことです。
その後の行政による支援や救助に役立ちます。
災害発生時における被害状況・復旧見通しに関する情報収集・提供体制の整備
マンションに住んでいると、居住者は自分の部屋以外の情報を、管理組合や管理会社からの情報に頼らざるを得ません。
日頃から、居住者への情報発信を心がけておくことで、災害発生時でも適切なタイミングと内容の情報を発信することができます。
災害発生時は、まずは被害状況の把握に勤めます。
管理組合の役員や居住者を中心に、目視で確認できる範囲の被害状況を確認しましょう。
可能であれば、管理会社や専門家の協力を得ながら、行うとなお良いです。
また、居住者にしか分からない被害状況というものがあります。
- 居室内等の専有部分
- ベランダ等の共用部分だけど、専用使用権がある部分
上記の場所の被害状況は、必要に応じて居住者にヒアリングしましょう。
そうして集めた被害状況をまとめ、安全かどうか、復旧見込み等を公開しましょう。
定期的な情報の更新も必要だね
特に、災害時は嘘やデマが出回りやすく、不安に陥りがちです。
さらに、予算の都合ですぐ復旧できない場合は
このため、正しい情報を正しいルートで発信しましょう!
管理組合専用のスタンプを用意しておくのも良いですね。
災害対策に応じた獲得ポイント
評価制度では、対応できている災害対策(全8項目)に応じてポイントが配点されます。
- 上記の8項目の中から6項目以上対策できていれば、満点の3ポイント
- 次に、3~5項目対策できていれば、2ポイント
- 続いて、1~2項目対策できていれば、1ポイント
- 全く対策できていない場合は、0ポイント
獲得ポイントは少ないですけど、自分自身や家族、マンション全体の安心のため、全8項目できるように取り組みましょう。
有事の連絡先と連絡手段(1ポイント)
最後のマンション管理の安心は、「有事の連絡先と連絡手段」です。
「生活関連」の③の評価項目に当たります。
マンション管理適正評価制度では、「名簿の整理状況」を評価します。
名簿の整理状況では、1ポイント獲得できます
- 整理する名簿の内容
- 管理規約や使用細則の整備
- 管理計画認定制度との関係
整理する名簿の内容
マンション管理で基本的に必要とされる名簿は、2種類あります。
- 区分所有者(組合員)名簿
- 居住者名簿
上記に前述の「災害用名簿」を加えることもありますが、基本は「区分所有者名簿」と「居住者名簿」です。
それぞれどのような内容の名簿か、解説します。
区分所有者名簿
区分所有者は、「区分所有者」の名簿です。
そのままね
別の言い方をすると、「所有者」「持ち主」「オーナー」「組合員」等、いわゆるマンションを購入して所有権がある人を差します。
個人だけではなく、法人の場合もあります。
また、複数所有している場合もあります。
- 部屋番号
- 名前
- 住所
- 連絡先(緊急連絡先含む)
- 所有権取得日
居住者名簿
居住者名簿は、「居住者」の名簿です。
また、そのままね
なじみがある言い方をすると賃借人で、専門的には「占有者」とか「第三者」と言います。
名簿に記載する内容も、区分所有者名簿とは異なります。
- 部屋番号
- 名前(世帯主、代表者)
- 連絡先(緊急連絡先含む)
- 同居人の名前
- 入居日
- 不動産管理会社
上記の他に、勤務先、同居人の連絡先、生年月日を設けることもあります
管理規約や使用細則の整備
次に、各名簿を作成するために必要な管理規約や使用細則の整備について、確認しましょう。
区分所有者名簿
そもそも、マンションを購入し区分所有者となった場合、原則的には管理組合に届け出なければなりません。
例外があるの
例外はね、マンションの管理規約で
届け出が義務化されていない場合だよ
新たに組合員の資格を取得し又は喪失した者は、直ちにその旨を書面又は電磁 的方法により管理組合に届け出なければならない。
出典:マンション標準管理規約 第31条 電磁的方法が利用可能な場合
上記のルールにしたがって、届け出られた情報を元に名簿を作成します。
標準管理規約では、名簿の作成について、以下のように規定されています。
理事長は、会計帳簿、什器備品台帳、組合員名簿及びその他の帳票類を書面又は電磁的記録により作成して保管し、組合員又は利害関係人の理由を付した書面又は電磁的方法による請求があったときは、これらを閲覧させなければならない。この場合において、閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができる。
出典:マンション標準管理規約 第64条 電磁的方法が利用可能な場合
居住者名簿
実は、居住者名簿に関しては、マンション標準管理規約では何も規定がありません。
規定がないと名簿が作れないじゃない
勝手に作っていいわけ?
何も規定がないのに作るのはまずいよ
新たに「居住者名簿」に関する規定を設ければ良いんだよ
名簿の取扱い
個人情報保護法が改正(2015年)されて、マンションの管理組合も個人情報の取扱事業者となり、法規制の対象になりました。
- 名簿の利用目的や名簿に記載する情報をできる限り特定する
- 個人情報をしっかり管理する
- 本人の同意なく、第三者に個人情報を提供しない
「個人情報をしっかり管理する」について
ポイントを紹介するね
【絶対にダメ】
- 漏えい、紛失、き損しないこと
【情報更新】
- 常に、最新かつ正確な状態で管理する
- 利用する必要がなくなった情報は、遅滞なく破棄(データ削除)する
【管理会社に委託する場合】
- 管理会社に委託する範囲を決めておくこと
- 管理委託契約書に明記しておくこと
管理計画認定制度との関係
マンション管理適正評価制度と同様に、2022年4月から始まった管理計画認定制度でも、名簿の整備が認定項目として取り上げられています。
管理組合がマンションの区分所有者等への平常時における連絡に加え、災害等の緊急時に迅速な対応を行うため、組合員名簿、居住者名簿を備えているとともに、1年に1回以上は内容の確認を行っていること
基本的なポイントは、評価制度の評価基準と同様です
- 組合員名簿、居住者名簿が整備されている
- 年1回以上、名簿の見直し(更新)が行われている
ちなみに、組合員名簿は、区分所有者名簿と読み替えていただいて構いません。
管理計画認定制度は、国の制度で
名簿の整理が、認定項目に含まれるということは
それだけ大切(重要)ってことだね
管理計画認定制度に関する記事は、以下で紹介してます。
まとめ
今回の記事では、マンション管理適正評価制度の具体的なアクションプラン「④100点を目指すために」を詳しく解説しました。
評価制度では、マンション管理の安心に関する項目が4つあります。
本アクションプランで紹介したことを実践することで、①~③のアクションプランと合わせると、100点への道を開くことができます。
マンション管理の安心は、当たり前のことをやることが、マンション管理の鉄則です。
「時間がかかるからやらない」「誰かがやるから自分はやらなくていい」と言い訳を考えるより、まずは行動を起こしましょう。
行動すれば、今よりも明るいマンション管理が待っているはずです!
一緒に良いマンションを将来に残していきましょう。
以上、参考になれば嬉しいです^^
それでは、またっ!ばいばいっ!
避難所へ行く前に、管理組合として行っていただきたいことがあります