皆さん、チャンコのマンション管理大学へようこそお越しくださいました。
当大学では、学長 兼 講師 兼 アシスタントの私チャンコが
より多くの方に、マンション管理のこと知っていただくことを目的に
- 1記事1記事、魂をこめて
- 専門用語を使わず、できるだけ優しい言葉で
- ちょうど良い分量で(読んでいて飽きない程度に^^)
- 何回かに分けて
- いろんな記事を書いていきます!
申し遅れましたが、私のプロフィールは以下のようになっています^^
興味がある方は、メッセージいただけると嬉しいです!
さて、記念すべき1回目の記事は、マンション管理の基礎編Vol.1をお届けします!
- 日本の住宅事情(概要)
- マンション管理の全体像
- マンション管理基本のお仕事3つ
なお、どの記事を読んでも簡潔 かつ 分かりやすいように心がけて書いていきます!
是非、最後まで見ていってください^^
日本の住宅事情(概要)
まずは、マンション管理の説明をする前に、日本の住宅に関する全体像からお話しします。
皆さんは、現在日本にはどのくらいの数の住宅(空き家等含む)があると思いますか?
総務省が、5年ごとに住宅と土地に関する調査を行い、公表しています。
公表結果によると、2018年10月1日現在、総住宅数は6,240万7千戸(※)です。
この数字には空き家等も含まれますが
前回調査(2013年)と比べると177万9千戸(2.9%)増えている(※)そうです。
人口は減少傾向なのに、住宅は増加している面白い現象ですね^^
この記事の本題ではありませんが、興味深い内容なのでもう少し触れてみたいと思います。
- 総世帯数は5,400万1千世帯、2013年と比べて154万9千世帯(3.0%)増
- 総住宅数と総世帯数の5年間の増減数(率)は、1958年以降上昇傾向だが、近年は上昇傾向が緩やかになっている
- 1968年以降、総住宅数が総世帯数を上回っている
- 空き家は848万9千戸、2013年と比べて29万3千戸(3.6%)増
以上から
- 日本の住宅事情は
- 総数は増えているものの、近年は緩やかな傾向
- 半世紀の間、総住宅数が総世帯数を上回っている。(供給過多)
- 空き家は増加傾向
上記は、人口が徐々に減っていることによると思われます。
マンション管理の全体像
さて、本題に戻ります。
では、マンションについてはどうでしょうか。
- そもそも
- 対象となるマンションとは?
- マンションはどれくらいあるの?
- 管理している会社はどれくらいあるの?
順番に見ていきましょう!
対象となるマンションとは?
マンション管理会社が法律等に基づいて管理するマンションは
ずばり、以下の要件を満たした建物になります。
- 二人以上の区分所有者がいる建物で
- 住居があるもの
詳しくは、「マンション管理適正化法 第2条」参照
と定義されています。
私のブログの中で「マンション」と言ったら、上記の二つの要件を満たしたマンションだと思ってください。
また、マンションの代わりに「分譲マンション」とか「区分所有マンション」と言うこともあります。
だから、例えば以下の様な建物でも管理の対象になります。
- 100戸のマンションで、区分所有者が二人
- 1階が事務所、2階以上が住居で区分所有者が二人以上
また、以下の様な建物では、厳密にいえば管理対象の建物ではなくなります。
- 住居は複数あるけど、ワンオーナー(区分所有者が一人)
- 区分所有者は二人以上いるけど、全部事務所
ただ、上記の建物を管理する会社は沢山あります。
今の会社でも管理を請け負っています^^
マンションはどれくらいあるの?
対象のマンションが分かったところで
日本にマンションがどれくらいあるか見てみましょう。
国土交通省のホームページに具体的な数字が掲載されていました。
令和2年末時点で約675.3万戸です!
多いでしょうか、少ないでしょうか。
グラフから昭和43年以降、上昇傾向が続いていますね^^
では、日本の住宅全体に占めるマンションの割合はどのくらいでしょうか?
以下の式で求められます。
分譲マンションストック数÷総住宅数×100
実際に数字を当てはめてみましょう!
675.3÷6,240.7×100=約10.8%
元となる数字の出どころ、年度が異なるので正確ではないかもしれませんが
日本の住宅の約1割は、マンションと言っても良さそうです^^
管理会社の数
では、マンションを管理する管理会社の数はどのくらいでしょうか。
そもそも、誰でもマンション管理をできるのでしょうか?
答えは×です
マンション管理業を営もうとする者は、国土交通省に備えるマンション管理業者登録簿に登録を受けなければなりません。
出展:国土交通省
国から登録を受けなければならないのですね^^;
国土交通省のホームページでは、実際に登録を受けている会社を検索することができます。
少し見づらいですが、マンション管理業の登録を受けている会社は2,800社ありました。(2021年11月現在)
なので、単純計算で1社2,400戸を管理していることになります。
実際は、大手同士の合併等でかなり寡占化しているように思われます^^
全体像はこれで終わりです。
マンション管理基本のお仕事3つ
管理会社は、登録を受けなければならないとお伝えしましたが
登録を受けただけではお仕事はありません^^
管理会社は、マンションの管理組合という団体と
契約を結んで初めてお仕事ができるようになるのです!
この管理組合がマンション管理の主役になります。
上記は、正しくないのですが
強く「違いますっ!」と主張できない場合が多いです・・・
だから、かなり切ないです。
- 主役は管理組合
- 管理組合の管理対象部分は、共用部分
- 専有部分の管理は、その専有部分の区分所有者
- 管理会社は、お手伝いと支援
上記は、とても大事なのでこのブログを通じて丁寧に説明していきます!
まずは、基本のお仕事から
- 事務管理業務と言われるもので
- 基幹事務と基幹事務以外に分かれます
- 基幹事務は、大きく分けて3つの業務があり、「会計」「出納」「修繕」です
- 基幹事務以外は、「理事会・総会支援」と「報告と助言」です
※すみません、専門用語使ってしまいました^^;
下記で詳しく解説します。
1.お金の管理(会計と出納)
管理組合が管理する財産(現金等)の管理のことです。
めちゃくちゃ大事で、ミスは絶対に許されません!
1ー1.収入と支出の管理(会計)
主なお仕事は、以下の通りです。
- 毎月の会計報告
- 来年の予算案提出(決算前)
- 今年の決算案提出(決算後)
① 毎月の会計報告
会計担当は、毎月以下の書類を作成します
・前月1か月の収入と支出の報告書(収支報告書等)
・前月月末の資産・負債・繰越金の状態(貸借対照表等)を示した報告書
フロント担当は、会計担当が作成した資料を管理組合へ提出します
② 来年の予算案提出(決算前)
会計担当は、年1回管理組合の決算前(※)に予算案を作成して
フロント担当へ提出します
フロント担当は、会計担当が作成した予算案に
管理組合個別事情を反映させた予算案を管理組合へ提出(※)します
※提出時期は契約によります。
その後、管理組合(理事会)は、上記の予算案をもとに総会へ上げる予算案を決めていきます。
③ 今年の決算案提出(決算後)
会計担当は、年1回管理組合の決算後(※)に収支決算報告書等を作成して
フロント担当へ提出します
フロント担当は、会計担当が作成した収支決算報告書等を
管理組合へ提出(※)します
※提出時期は契約によります。
その後、管理組合(理事会)は、上記の収支決算報告書等をもとに総会へ上げる内容を決めていきます。
1ー2.お金の出し入れ・督促(出納)
主なお仕事は、以下の通りです。
- 管理費等の収納
- 滞納督促
- 経費の支払い
- 帳簿の作成
出納担当は、以下の業務をします
① 管理費等の口座振替データを作成して、銀行へ送ります
② ①の結果、滞納者がいればフロント担当と協力して督促(書面や電話等)をします
③ 管理組合の経費の支払い・資金の移管等の銀行手続きをします
フロント担当は、出納担当から滞納情報を得たら
書面や電話等で督促します
※滞納督促は、契約により一定期間で終了します。その後は、管理組合が、督促することになります。
会計担当は、管理費等の収納状況、経費の支払いをもとに
④帳簿を作成し、管理組合へ提出します
フロント担当は、会計担当から帳簿等を受け取ったら
管理組合へ提出します
2.修繕の提案(修繕)
管理会社は、マンションの建物や設備の
劣化を発見することがあります
この場合
技術担当やフロント担当は、管理組合へ
修繕や修繕計画見直しの提案をします
その後、管理組合(理事会)が、修繕を実施するか修繕計画を見直すかを決定します。
なお、管理組合が見送った場合は、トラブルがあっても免責です!
ここまでが基幹事務となります。
次は、基幹事務以外です。
3.理事会・総会支援と報告・助言
先ほど、管理の主役は管理組合とお伝えしました。
では、管理組合が行う業務とは何でしょうか?
管理会社の業務を説明する前に、管理組合の業務と運営について軽く触れます^^
- 管理組合が管理する「共用部分」の保全、保守、清掃、消毒、ごみ処理、修繕
- 長期修繕計画の作成
- 図面や修繕履歴の管理
- 火災保険等に加入
- 共用部分の変更や運営
- 広報や連絡
- 他、全部で15項目くらいあります!
詳しくは、「標準管理規約 第32条」参照
管理会社の業務は
① 理事会や総会の支援
② 報告と助言です
この「支援」がくせ者です!
意味は上記の通りですが、しばしば支援業務を越えるオーダーが入ることがあります^^;
つまり、簡単に言うと・・・
管理組合の業務だけど、代わりにやっておいてくれるよねぇ!?
えー、支援業務を越えているんですけど…
と心の中で思うことがあります
- と、まぁ半分冗談半分本気ですが
- 管理組合の業務と管理会社の業務を
- きちんと説明し
- 分かっていただき
- 良好な関係を維持できれば
- と、思うことが多々あります^^
- 理事会・総会の日程調整、案内、出欠集計、資料配布
- 理事会・総会の議事の助言や議事録案作成
- 求めに応じて、資料の作成(理事会)、事業計画案の作成(総会)
- 点検結果の報告、改善提案、助言
- 契約手続き事務
- 所有者や賃借人の名簿の整理
- 行政への報告届け出補助
- 管理組合の大切な書類の保管
詳しくは、「標準管理委託契約書 2の基幹事務以外の事務管理業務」参照
いかがですか。
管理組合の業務と管理会社の業務が違うことがお分かりいただけましたか。
もし、仮に管理会社の対応が、「思ったのとは違うな」と感じたときは
管理組合、管理会社どちらの業務か確認することをお勧めします^^
まとめ
いかがでしたか。
この記事では、次のことを説明しました。
- 日本の住宅事情
- マンション管理の全体像
- マンション管理基本のお仕事3つ
- 日本の住宅事情は、人口減少の影響を受けている
- 対象のマンションは、①二人以上の区分所有者がいる建物、②住居があるもの
- マンションストック戸数は、令和2年で約675.3万戸(空き家含む)
- 日本の住宅の1割はマンション
- マンション管理業の登録を受けている会社は2,800社
- 大手同士の合併等で寡占化が進んでいる
- お金の管理(会計と出納)→めちゃくちゃ大事で、ミスは許されない
- 修繕の提案→管理組合が見送った場合は、トラブルが起きても免責
- 理事会・総会支援と報告・助言→管理組合の業務と管理会社の業務は異なる
お仕事は、上記以外にもたくさんあります!
ひとつの記事ではまとめきれないし、そもそも興味がない項目もあると思います^^;
これから、何回かに分けて記事にしていきたいと思います。
興味がある記事を読んでいただけたら嬉しいです!
少しでもマンション管理に興味をもっていただける方が増えたら幸せです^^
また、分からないことや管理組合のことで抱えている問題や悩みがあれば、何でも聞いてください^^
マンション管理の専門家が、分かりやすく、丁寧に説明します。
以上、参考になれば大変うれしいです^^
それでは、またっ!ばいばいっ!