こんにちは、チャンコです!
2022年4月にスタートしたマンション管理適正評価制度で、評価されるマンションが増えています。
マンション管理会社で働いていると、ジワジワと、マンションの管理を大切にする動きが伝わってきます。
評価されたマンション情報は、随時、以下の記事で更新しています。
さて、2022年7月5日マンション管理適正評価制度が、新しい局面を向かえることになりました。
大手不動産流通会社が運営する、不動産情報サイトに、マンション管理適正評価制度の評価結果が掲載されることになりました。
記念すべき第1号は、東急リバブルの中古マンションライブラリーです。
ホームページ:https://www.livable.co.jp/mansion/library/
出典:マンション管理業協会
マンション検討時から、管理状態を確認して、マンションを選択できるようになります!
マンションを選ぶときから
管理状態を確認できるのがメリットだね
評価制度が一般的になれば、今よりも管理の重要性が大切になってきます。
そして、近い将来、マンションの管理状態が物件価格に反映される日が来るかもしれません。
そこで、今回はマンション管理会社勤務の現役フロントマンが、マンション管理適正評価制度で高得点を目指すためのポイントを解説します。
【この記事はこんな方にオススメ】
- 既に評価を受け(結果は以下)、次回更新時にを目指したい
- 今後、評価を受ける予定があるので、高得点を目指したい
- 評価制度に興味がない(自分には関係ない)
- 評価制度自体知らない
上記の方にとって、有益な内容になっています^^
早速、マンション管理適正評価制度で高得点を目指すポイントをお伝えします!
- 評価項目と配点を知る
- 【前提】マイナスポイントは、絶対に避ける
- 10ポイント以上の項目を優先する
- 管理のために重要な項目を押さえる
- 安心も目指していく
この記事を読んでいただければ、マンション管理適正評価制度で高得点を目指せるようになります。
是非、最後まで見ていってください^^
評価項目と配点を知る
マンション管理適正評価制度の評価項目は、5分野30項目あります。
まずは分野ごとの評価項目と配点(ポイント)を見てみましょう。
「管理組合収支」の配点が
一番高いね
続いて、それぞれの分野の評価項目と配点(マイナス含む)です。
- 最高ポイントは、12ポイントです(1項目)
- 10ポイント以上は、4項目あります
- マイナスポイントとなる項目が、21項目もあります
1.管理体制
- 項目数:6項目
- 配点:20ポイント
- 10ポイント以上:無
- マイナスポイント:3項目(①②③)
※管理計画認定制度(国の基準)と同一の項目:①②④⑤
評価項目 | 評価内容 | 配点 | ◎ | ○ | ▲ | ✕ |
---|---|---|---|---|---|---|
①管理者等の設置 | 管理者等及び監事が選任されているか | 1 | – | 1 | – | -5 |
②集会(総会)の開催 | 年1回以上開催されているか | 4 | – | 4 | – | -5 |
③総会議事録 | 直近5年分の総会議事録が保管されているか | 4 | – | 4 | – | -5 |
④管理規約の有無 | 規約原本又は現に有効な規約があるか | 3 | – | 3 | – | 0 |
⑤管理規約への規定の有無 | 管理計画認定基準項目に掲げられている内容が管理規約に規定されているか | 4 | – | 4 | – | 0 |
⑥規約改正状況 | 標準管理規約に準拠して、主要な改正項目が規定されているか | 4 | 4 | 2 | 1 | 0 |
「管理体制」は管理の肝の評価となるよ
肝ということは
一つも落とせないわね
2.建築・設備
- 項目数:11項目
- 配点:20ポイント
- 10ポイント以上:2項目(②③)
- マイナスポイント:10項目(①のア~ケ、②)
※管理計画認定制度(国の基準)と同一の項目⇒②
評価項目 | 評価容 | 配点 | ◎ | ○ | ▲ | ✕ |
---|---|---|---|---|---|---|
①ア【建築基準法】 特定建築物定期調査 | 実施状況及び報告書の保管があるか | 0 | – | 0 | – | -5 |
①イ【建築基準法】 建築設備定期検査 | 実施状況及び報告書の保管があるか | 0 | – | 0 | – | -5 |
①ウ【建築基準法】 昇降機(エレベーター)定期検査 | 実施状況及び報告書の保管があるか | 0 | – | 0 | – | -5 |
①エ【水道法】 専用水道定期水質検査 | 実施状況及び報告書の保管があるか | 0 | – | 0 | – | -5 |
①オ【水道法】 簡易専用水道管理状況検査 | 実施状況及び報告書の保管があるか | 0 | – | 0 | – | -5 |
①カ【水道法】 貯水槽の清掃(水道法施行規則の基づく) | 実施状況及び報告書の保管があるか | 0 | – | 0 | – | -5 |
①キ【浄化槽法】 浄化槽の保守点検、清掃、定期検査 | 実施状況及び報告書の保管があるか | 0 | – | 0 | – | -5 |
①ク【消防法】 消防用設備等点検 | 実施状況及び報告書の保管があるか | 0 | – | 0 | – | -5 |
①ケ【電気事業法】 自家用電気工作物定期点検 | 実施状況及び報告書の保管があるか | 0 | – | 0 | – | -5 |
②長期修繕計画の有無 | 長期修繕計画が作成されているか | 10 | – | 10 | 5 | -5 |
③直近5年間の共用部分の修繕等の履歴情報 | 直近5年間の共用部分の修繕等の竣工図書の保管があるか | 10 | 10 | 5 | – | 0 |
「建築・設備」は、ハード面の評価となるよ
項目数もマイナスポイントも
多いわね
3.管理組合収支
- 項目数:8項目
- 配点:40ポイント
- 10ポイント以上:1項目(③、最高の12ポイント)
- マイナスポイント:7項目(①②④ア~ウ、⑤⑥)
※管理計画認定制度(国の基準)と同一の項目⇒①②⑤⑥
評価項目 | 評価内容 | 配点 | ◎ | ○ | ▲ | ✕ |
---|---|---|---|---|---|---|
①管理費と修繕積立金の区分経理 | 管理費会計と修繕積立金会計の区分経理がされているか | 2 | – | 2 | – | -2 |
②管理費会計収支 | 修繕積立金会計から他の会計(管理費会計等)への充当がされていないか | 5 | – | 5 | – | -5 |
③修繕積立金会計収支 | 修繕積立金の資金計画の設定 | 12 | 12 | ~ | 3 | 0 |
④ア管理費滞納額【戸数】 | 直前の事業年度の終了の日時点における、管理費の滞納発生状況 | 4 | – | 4 | – | -4 |
④イ管理費滞納額【期間】 | 直前の事業年度の終了の日時点における、管理費の滞納住戸における滞納期間及びその対応状況 | 4 | 4 | 2 | 0 | -4 |
④ウ管理費滞納額【滞納率】 | 直前の事業年度の終了の日時点における、管理費の3ヶ月以上の滞納状況 | 4 | – | 4 | 0 | -4 |
⑤修繕積立金滞納額【滞納率】 | 直前の事業年度の終了の日時点における、修繕積立金の3ヶ月以上の滞納状況 | 4 | – | 4 | 0 | -4 |
⑥修繕積立金の額 | 修繕積立金の額が著しく低額でないか | 5 | – | 5 | – | -5 |
「管理組合収支」は、財務面の評価となるよ
5つの分野のなかでも
もっとも配点が高く、重要な項目が集まってるのね
4.耐震診断関係
- 項目数:1項目
- 配点:10ポイント
- 10ポイント以上:1項目
- マイナスポイント:0項目
※管理計画認定制度(国の基準)と同一の項目⇒無
評価項目 | 評価内容 | 配点 | ◎ | ○ | ▲ | ✕ |
---|---|---|---|---|---|---|
①耐震性(耐震診断の実施) | 新耐震基準の建物である 耐震診断及び耐震改修の実施状況 | 10 | 10 | 5 | 2 | 0 |
「耐震診断関係」は、安全面の評価となるよ
項目は1つしかないけど
10ポイント付くのね
5.生活関連
- 項目数:4項目
- 配点:10ポイント
- 10ポイント以上:0項目
- マイナスポイント:1項目(②)
※管理計画認定制度(国の基準)と同一の項目⇒③
評価項目 | 評価内容 | 配点 | ◎ | ○ | ▲ | ✕ |
---|---|---|---|---|---|---|
①緊急対応 | 設備等の警報発報による緊急対応の体制 | 3 | – | 3 | 1 | 0 |
②消防訓練の実施状況 | 法令上の義務に基づく当該事業年度内の消防訓練の実施状況 | 3 | – | 3 | 0 | -5 |
③名簿の整備状況 | 区分所有者及び居住者名簿を備えているか | 1 | – | 1 | – | 0 |
④防災対策 | 災害への対策が講じられているか(全8項目) | 3 | 3 | 2 | 1 | 0 |
最後の「生活関連」は、安心面の評価となるよ
マンション生活の安心って何かしら?
管理計画認定制度について
評価制度の評価項目には、国が作った制度「管理計画認定制度」と同様の項目があります。
管理計画認定制度も、マンションの管理状態を認定する、大切な制度です。
興味がある方は、以下の記事をご覧ください。
管理計画認定制度の内容
管理計画認定制度の費用
高得点を目指すためのポイント
高得点を目指すためのポイントは、次の通りです。
順番に解説します。
①マイナスポイントは、絶対に避ける
前述のとおり、評価項目にはマイナスポイントとなる項目が、21項目あります。
実に、全体の7割にあたります。
マイナスポイントを合わせると、なんと-98ポイントになってしまいます!
ありえませんね・・・
マイナスポイントとなる項目を見ていると、あることに気づきます。
マイナス項目が、いずれに当てはまるか見ていきましょう。
※2つ以上に関連している項目は、筆者の判断によります。
あきらかに法律違反をしている
管理規約を守れていない(規定されていない)
- ①管理者等の設置 ※法律も関連
- ②集会(総会)の開催 ※法律も関連
- ③総会議事録 ※法律も関連
- ①管理費と修繕積立金の区分経理 ※財務も関連
不健全な財務運営
高得点を目指すためには、マイナスは絶対に避けましょう!
そして、21項目全て満点を目指しましょう!!
マイナス項目をクリアするだけで
50ポイントだよ
具体的なアクションプランは、「①法律や管理規約をしっかりと守って50ポイント獲得」で紹介します。
②10ポイント以上の項目を優先する
10ポイント以上の点数が付与される項目のおさらいです。
- 2.建築・設備の「②長期修繕計画」
- 2.建築・設備の「③直近5年間の共用部分の修繕等の履歴情報」
- 3.管理組合収支の「③修繕積立金会計収支」
- 4.耐震診断関係の「耐震性」(耐震診断の実施)
10ポイント以上の項目のキーワードは、以下の通りです。
- 「長期修繕計画」
- 「修繕等の履歴情報」
- 「均等積立」
- 「耐震性」
いずれも、マンション管理に欠かせないキーワードになります。
覚えておくわ
4項目全て満点だと、42ポイントを獲得できます。
具体的なアクションプランは、「②マンション管理に欠かせないキーワードを抑えて82ポイント獲得」で紹介します。
ここまでで、82ポイント
獲得できるよ
③管理のために重要な項目を押さえる
「マイナスポイント」や「10ポイント以上」ではありませんが、管理のために重要な項目を押さえていきましょう。
管理規約を整備し、最新の内容に合わせる(見直す)ことで、3項目で11ポイントが加算されます。
ここまでで93ポイントね
獲得ね
具体的なアクションプランは、「③を獲得するために」で紹介します。
④安心も目指していく
最後は、安心してマンションライフを送れるようにするための項目です。
「心が安らかになる」と書いて、安心です。
安心の基準は様々ありますが、マンション管理における「安心」のポイントは、以下の通りです。
マンション管理の安心=リスクへの備え
具体的には、評価項目5.生活関連の「②消防訓練の実施状況(※)を除く3項目です。
※「マイナスポイントは、絶対に避ける」で取り上げました。
一緒に100点を目指しましょうっ
具体的なアクションプランは、「④100点を目指すために」で紹介します。
具体的なアクションプラン
それでは、マンション管理会社勤務の現役フロントマンが、マンション管理適正評価制度で高得点を目指すための具体的なアクションプランを紹介します。
具体的なアクションプランは、以下の5つです。
①~④は、前述の「高得点を目指すためのポイント」に対応しています。
また、マンションがある限り「マンション管理」に終わりはないので、⑤として「良い管理の維持」を設けました。
- 法律や管理規約をしっかりと守って50ポイント獲得
- マンション管理に欠かせないキーワードを抑えて82ポイント獲得
- を獲得するために
- 100点を目指すために
- そして、良い管理を維持していく
具体的なアクションプランは、評価制度の内容を知らない方でも取り組めるようになっています。
①から順番に取り組んでいただいても、気になるところや弱点(あれば)から取り組んでいただいても、構いません。
分からないことがあれば
現役フロントマンが、丁寧に解説しますので
お問い合わせください
まとめ
この記事のまとめです。
今回は以下の内容をお伝えいたしました。
マンション管理適正評価制度で、高得点(星5つ)を目指すために必要なことは、次の5つです。
- 評価項目と配点を知る
- 【前提】マイナスポイントは、絶対に避ける
- 10ポイント以上の項目を優先する
- 管理のために重要な項目を押さえる
- 安心も目指していく
上記に対応する形で具体的なアクションプランも紹介しました。
- 法律や管理規約をしっかりと守って50ポイント獲得
- マンション管理に欠かせないキーワードを抑えて82ポイント獲得
- を獲得するために
- 100点を目指すために
- そして、良い管理を維持していく
マンションがある限り、マンション管理に終わりはありません。
住まいとしてのマンションの環境を良くしたい方は、この機会にマンション管理適正評価制度を活用してはいかがでしょうか。
一緒に、より良いマンション管理を目指していきましょう!
ブログではお伝えしきれない内容や相談があれば、お問い合わせフォームまでお願いいたします。
以上、参考になれば大変うれしいです^^